飛鳥Ⅲとピースボート、世界一周するならどちら?

――豪華客船のスペック・旅行代金を徹底比較! 飛鳥Ⅲの世界一周は1,000万円を超えるのか?

2026年10月16日

本日、我が愛媛県松山市・三津浜外港に「飛鳥Ⅲ」が入港したので見に行ってきました。

外から外観しか見えないのが残念です。

一度、船内に入って見たいですね。(笑)

日本の世界一周クルーズが、新しい時代を迎えようとしています。

2025年7月、日本の新しい豪華客船「飛鳥Ⅲ」が就航しました。

一方、世界一周クルーズを長年続けているピースボートは、2027年4月に第126回世界一周クルーズ(Voyage126)を出発させます。

私もこのVoyage126に乗船する予定です。

そこで気になったのが、飛鳥Ⅲとピースボートの違いです。

船の大きさ、乗客数、客室設備、乗組員の人数、そして旅行代金。

特に興味深いのは、飛鳥Ⅲが将来、世界一周クルーズを実施した場合、いったいいくら必要になるのかという問題です。

今回は、両船のスペックを比較するとともに、2025年に最後の世界一周を実施した飛鳥Ⅱの実際の旅行代金を参考に、飛鳥Ⅲの世界一周費用を予想してみました。


1.飛鳥Ⅲは、飛鳥Ⅱの世界一周を引き継ぐ

まず確認しておきたいことがあります。

飛鳥Ⅱは2025年3月31日に横浜を出発し、103日間の世界一周クルーズを実施しました。

これが飛鳥Ⅱにとって最後の世界一周となりました。

しかし、飛鳥Ⅱが廃船になったわけではありません。現在も国内外のクルーズを続けています。

そして運航会社の郵船クルーズは、今後の世界一周クルーズを飛鳥Ⅲに引き継ぐ予定であると発表しています。

つまり、飛鳥クルーズの世界一周そのものが終了したわけではないのです。

2026年10月現在、飛鳥Ⅲによる最初の世界一周の出発日、航路、旅行代金は正式発表されていません。


2.飛鳥Ⅲとパシフィック・ワールド号のスペック比較

最初に、2隻の基本性能を比較してみよう。

比較項目飛鳥Ⅲパシフィック・ワールド
就航年2025年1995年
建造国ドイツイタリア
総トン数52,265トン77,441トン
全長230m261.3m
全幅29.8m32.25m
乗客定員680人2,419人
乗組員約490人公表値の確認が必要
客室数351室客室構成は公式資料参照
バルコニー全客室に設置一部客室に設置
主な運航国内・海外クルーズ世界一周クルーズ
船の特徴少人数・高級志向大人数・多彩な交流

※飛鳥Ⅲは公式サイト掲載の2026年5月時点の船舶データ。パシフィック・ワールドは公式船舶資料の数値。総トン数は船の重量ではなく、船内容積に基づく大きさの指標である。

注目したいのは船の大きさと乗客数

パシフィック・ワールドは、飛鳥Ⅲより約1.48倍大きい。

しかし、乗客定員は約3.56倍である。

ここに両船の性格の違いが表れている。

飛鳥Ⅲは、船の大きさに対して乗客数を少なく設定している。

一方、パシフィック・ワールドは、2,000人を超える乗客が世界一周を楽しめる大型客船である。

船が大きいからといって、必ずしも1人当たりの空間が広いとは限らない。

この点は、客船を比較するうえで重要なポイントだ。


3.乗客1人当たりの船内空間を比較する

ここで、少し変わった比較をしてみたい。

総トン数を乗客定員で割ると、乗客1人当たりの船内容積を比較する目安になる。

これはクルーズ業界で「スペースレシオ」と呼ばれる指標である。

項目飛鳥Ⅲパシフィック・ワールド
総トン数52,26577,441
乗客定員680人2,419人
スペースレシオ約76.9約32.0

驚くことに、飛鳥Ⅲのスペースレシオは、パシフィック・ワールドの約2.4倍となる。

これは、乗客1人当たりに割り当てられる船内容積の目安が約2.4倍という意味である。

ただし、実際に自由に使える面積が2.4倍あるという意味ではない。

船内には機械室、厨房、乗組員用施設などもあるからだ。

それでも、飛鳥Ⅲがゆとりのある船内環境を重視して設計されていることは、この数字から読み取れる。


4.乗組員によるサービスにも大きな違い

飛鳥Ⅲの乗組員は約490人。

乗客定員680人に対して、乗組員が非常に多い。

計算すると、

乗客約1.39人に対して乗組員1人

という割合になる。

これは、きめ細かなサービスを提供するうえで大きな強みとなる。

一方、パシフィック・ワールドは大人数の乗客を受け入れ、レストラン、イベント、講演会、国際交流など、多彩な船内生活を提供する。

両船の違いは、単にサービスの優劣ではない。

飛鳥Ⅲは少人数へのサービスを重視し、パシフィック・ワールドは大人数が参加できる船旅を特徴としている。


5.客室設備を比較する

世界一周クルーズでは、100日前後を船内で生活する。

そのため、客室の快適性は非常に重要だ。

飛鳥Ⅲの客室

飛鳥Ⅲは、全351室に専用バルコニーを備えている。

最も大きな特徴は、一般的なバルコニー客室から豪華なペントハウスまで、すべての客室で外の景色を楽しめることだ。

客室の種類には、ソロバルコニー、アスカバルコニー、ジュニアスイート、アスカスイート、ペントハウスなどがある。

パシフィック・ワールドの客室

パシフィック・ワールドには、バルコニー付き客室のほか、窓付き客室、窓のない内側客室などがある。

また、1人部屋、2人部屋、相部屋など、予算や旅行スタイルに合わせて選択できる。

Voyage126のバルコニー付き1人部屋は、

  • 客室面積:14㎡
  • バルコニー:3㎡
  • 合計:17㎡

となっている。

飛鳥Ⅲは全室バルコニー付きであるのに対し、パシフィック・ワールドは客室の選択肢が幅広い。

この違いが旅行代金にも反映されている。


6.実際の世界一周旅行代金を比較する

ここからが今回の本題である。

飛鳥Ⅲはまだ世界一周を実施していないため、実際の旅行代金は分からない。

そこで、2025年の飛鳥Ⅱ世界一周103日間と、2027年のピースボートVoyage126・108日間を比較してみる。

まず、飛鳥Ⅱの料金を確認しよう。

飛鳥Ⅱ・2025年世界一周103日間

以下は、2名1室利用時の1人当たりの料金である。

客室クラス通常料金ワールド特別料金
Kステート800万円600万円
Fステート990万円742.5万円
Eバルコニー1,200万円900万円
Dバルコニー1,220万円915万円
Cスイート1,730万円1,297.5万円
Aアスカスイート2,440万円1,830万円
W和洋スイート2,510万円1,882.5万円
Sロイヤルスイート4,020万円3,015万円

※ワールド特別料金は所定の申込・支払条件を満たした場合の料金。別途「早期全額支払旅行代金」という割引区分も設定されていた。

最も安い客室でも、通常料金は800万円。

ワールド特別料金を利用しても600万円であった。

一方、最高級のロイヤルスイートは通常料金で4,020万円。

同じ船で同じ103日間を過ごしても、客室によってこれだけの差がある。


7.Voyage126の旅行代金はいくらなのか

次に、2027年4月7日に横浜を出発するVoyage126を見てみよう。

航海日数は108日間。

飛鳥Ⅱより5日間長い世界一周である。

バルコニー付き客室の比較

比較項目飛鳥ⅡVoyage126
航海日数103日108日
客室EバルコニーバルコニーⅠ
2名1室・1人当たり900万円380万円
2名合計1,800万円760万円
1日当たり・1人約8.7万円約3.5万円

※いずれも公表された特別・早得割引料金で比較。適用時期や支払条件は異なる。諸費用は含めていない。

2人でバルコニー付き客室を利用した場合、旅行代金の差額は、

1,800万円-760万円=1,040万円

となる。

夫婦2人で世界一周をする場合、1,000万円以上の差が生じる計算だ。

ただし、飛鳥Ⅱの客室は約22.9㎡であるのに対し、Voyage126のバルコニー付き客室は17㎡。

客室面積や船内サービスが異なるため、同一商品を比較しているわけではない。


8.1人参加の場合はどうなるのか

私が特に注目したいのは、1人参加の場合である。

世界一周クルーズには、夫婦で参加する人もいれば、1人で参加する人もいる。

1人参加では、客室料金が大きく変わることがある。

そこで、バルコニー付き1人部屋で比較してみよう。

比較項目飛鳥ⅡVoyage126
客室EバルコニーバルコニーⅡ
利用人数1人1人
旅行代金990万円699.3万円
航海日数103日108日
1日当たり約9.61万円約6.48万円

飛鳥Ⅱの990万円は、2025年世界一周で設定された1人利用特別料金。

Voyage126の699.3万円は、公式サイトに掲載された早得割引後の料金である。

両者の差額は、

990万円-699.3万円=290.7万円

となる。

なお、Voyage126の早得割引は、公式掲載資料では2026年9月30日までの全額入金を条件としている。

そのため、これから申し込む場合に同じ料金が適用されるとは限らない。

また、Voyage126には旅行代金とは別に、チップ、ポートチャージなど合計263,680円が必要と掲載されている。

したがって、約291万円という差額は、あくまで客室旅行代金の比較である。


9.では、飛鳥Ⅲの世界一周はいくらになるのか?

ここからは、私なりに予想してみたい。

飛鳥Ⅲの世界一周クルーズの料金は、まだ発表されていない。

しかし、まったく予想できないわけではない。

飛鳥Ⅲはすでに国内・海外クルーズを実施しており、実際の料金が公表されているからだ。

例えば、2026年の「日本一周ディスカバリークルーズ」では、次の会員割引料金が設定されている。

客室クラス2名1室・1人当たり
アスカバルコニーD154.4万円
アスカバルコニーC158.4万円
アスカバルコニーB163.2万円
アスカバルコニーA167.2万円
ジュニアスイート239.2万円
アスカスイート359.2万円
ロイヤルペントハウス823.2万円

これは23日間のクルーズ料金である。

例えば、アスカバルコニーDの154.4万円を23日で割ると、1日当たり約6.7万円となる。

この単価を100日間に単純換算すると、約671万円である。

ただし、これは世界一周の正式料金を示すものではない。

世界一周では長期航海割引が設定される可能性がある一方、燃料費、港湾費用、為替相場などによって価格が変わることも考えられる。

また、短期クルーズと長期クルーズでは価格設定そのものが異なる。

そこで、複数の条件を考慮して予想してみた。

飛鳥Ⅲ・世界一周100〜110日間の予想料金

以下は、2名1室利用時の1人当たりの旅行代金について、私が独自に設定した仮説的な価格帯である。

客室クラス予想旅行代金
アスカバルコニー700万〜1,000万円
ジュニアスイート1,000万〜1,500万円
アスカスイート1,500万〜2,300万円
上級ペントハウス2,500万〜4,500万円

※公式予想ではない。飛鳥Ⅱの2025年料金、飛鳥Ⅲの公表済みクルーズ料金、客室構成を参考にした独自の試算であり、実際の販売価格はこの範囲から外れる可能性がある。

私が特に注目しているのは、最も一般的なアスカバルコニーの価格である。

飛鳥Ⅲは全室バルコニー付きなので、飛鳥Ⅱの最も安いKステートのような客室がない。

そのため、世界一周の最低料金が飛鳥Ⅱより高くなる可能性もある。

ただし、飛鳥Ⅲには1人利用を想定したソロバルコニーもある。

1人参加の旅行者にとっては、こちらの料金設定が重要になるだろう。


10.飛鳥Ⅲとピースボート、価格差にどんな意味があるのか

ここまで比較してきて、私は両船の旅行に対する考え方が大きく異なると感じた。

飛鳥Ⅲは、船内で過ごす時間そのものを豪華な旅行体験にすることを重視している。

少人数の乗客、広い船内空間、全室バルコニー、充実したサービス。

一方、ピースボートは世界各地を訪問し、歴史や文化を学び、人々と交流することに大きな特徴がある。

もちろん、飛鳥Ⅲでも寄港地観光や文化交流は楽しめるし、ピースボートでも船内の食事や娯楽を楽しむことができる。

両者は決して正反対の旅行ではない。

ただ、何に重点を置くかが違うのである。

旅行代金の差額で何ができるだろうか

仮に、1人参加で約300万円の差が生じたとしよう。

その300万円があれば、寄港地での観光費用に充てることもできる。

世界遺産を訪問したり、現地の日本語ガイドを利用したり、船を降りて数日間の個人旅行を楽しんだりすることも可能だ。

反対に、船内の快適さを最優先する人にとっては、追加費用を支払ってでも飛鳥Ⅲを選ぶ価値があるかもしれない。

つまり、重要なのは単純な価格差ではない。

世界一周の約100日間を、どのように過ごしたいのか。

それによって、旅行の価値は変わってくる。


11.私がVoyage126に期待していること

私は2027年4月、ピースボートVoyage126で世界一周に出発する予定である。

今回の航路は、スエズ運河ではなくアフリカ南端の喜望峰を回るルートとなっている。

約500年前、ポルトガルの航海者バルトロメウ・ディアスやヴァスコ・ダ・ガマが切り開いた航路と深い関係がある。

アジアからインド洋を渡り、喜望峰を回ってヨーロッパへ。

さらに大西洋を越えて新大陸へ向かう。

世界史の舞台を、自分自身の目で確かめられる旅になる。

私にとって、世界一周クルーズの魅力は、単に豪華な船で過ごすことだけではない。

寄港地の歴史を知り、現地の人々と交流し、世界の文化や暮らしを体験することにある。

その意味で、Voyage126は非常に興味深い航海だと思っている。


12.まとめ――世界一周クルーズは何を求めるかで選ぶ時代へ

今回、飛鳥Ⅲとパシフィック・ワールドのスペックを比較してみて、改めて分かったことがある。

それは、船の大きさと旅行の豊かさは、必ずしも比例しないということだ。

飛鳥Ⅲは、乗客1人当たりの船内空間が非常に広い。

新しい設備と少人数へのサービスを特徴とする、日本を代表する豪華客船である。

一方、パシフィック・ワールドは、より多くの人々が世界一周に参加できる大型客船だ。

客室の種類も幅広く、予算に応じて旅行を選ぶことができる。

そして、実際の旅行代金には大きな違いがある。

2025年の飛鳥Ⅱ世界一周と2027年のVoyage126を、バルコニー付き客室の1人利用で比較すると、特別料金同士でも約291万円の差があった。

将来、飛鳥Ⅲが世界一周を実施する際には、どのような料金設定になるのだろうか。

私の予想では、一般的なバルコニー付き客室で、2名1室利用時の1人当たり700万〜1,000万円程度が一つの目安になると考えている。

しかし、正式な旅行代金はまだ発表されていない。

今後の発表を待ちたい。

最後に、今回の比較を通じて私が感じたことを述べておきたい。

世界一周クルーズの価値は、船の豪華さだけで決まるものではない。

船内で過ごす時間を楽しむ人もいれば、世界各地の歴史や文化との出会いを大切にする人もいる。

どちらも素晴らしい世界一周の形だと思う。

大切なのは、自分が何を求めて世界一周に出かけるのかということである。

2027年4月、私はパシフィック・ワールドに乗船し、世界の海へ出発する。

その108日間で、どのような風景に出会い、どのような人々と交流できるのか。

今から楽しみにしている。


参考資料・公式サイト

今回の比較には、各運航会社が公表した船舶データ、クルーズ日程、旅行代金を使用した。

※本記事は2026年10月16日時点の公開情報に基づく。旅行代金は申込時期、割引条件、客室の空き状況などによって変動する。飛鳥Ⅲの世界一周旅行代金は筆者による独自予想であり、運航会社が発表したものではありません。

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