副腎に腫瘤の疑い!72歳で受けた精密検査――30分安静の採血、その理由と結果

2026年10月14日|70歳のリアル 健康生活
はじめに――突然告げられた「副腎腫瘤の疑い」
72歳になり、健康についていろいろと考える機会が増えてきました。
これまでも血圧や腎機能、血糖値などを気にかけながら生活してきましたが、今回は思いがけない臓器について精密検査を受けることになりました。
その臓器とは「副腎(ふくじん)」です。
腹部超音波検査で、**「左副腎に腫瘤性病変の疑いがある」**と指摘されたのです。
「腫瘤」とは、体の一部にできたしこりや塊のことです。
最初にこの言葉を聞いたとき、頭をよぎったのは「腫瘍なのか?」「癌という可能性もあるのか?」という不安でした。
副腎という臓器について、名前は聞いたことがあるものの、どこにあり、どんな役割を果たしているのか、私はほとんど知りませんでした。
そこで2026年10月13日、愛媛県立中央病院の泌尿器科で精密検査を受けることになりました。
1.精密検査当日――3つの検査を受けました
午後2時ごろに病院へ入り、検査が始まりました。
今回受けたのは、次の3つです。
- 30分間ベッドで安静にした後の血液検査
- 医師による超音波検査
- CT検査
なかでも、私が不思議に思ったのは血液検査でした。
① 30分間ベッドで横になってから採血
普通の血液検査なら、採血室で椅子に座り、数分もすれば終わります。
ところが今回は違いました。
看護師さんから「ホルモンの検査がありますので、30分間ベッドで安静にしてください」と言われたのです。
ベッドに横になり、30分間安静を保った後で採血を受けました。
「どうして血液を採るのに30分も寝ていなければならないのだろう?」
そんな疑問を感じました。
後から調べてみると、これには医学的な理由があることを知りました。
② 医師による超音波検査
続いて、医師による超音波検査を受けました。
超音波検査は、お腹に検査器具を当てて、体の内部を画像で確認する方法です。
放射線を使わず、臓器の状態などを調べることができます。
③ 最後はCT検査
最後にCT検査を受けました。
CTは、X線を使って体の内部を断面画像として詳しく確認する検査です。
副腎に本当に腫瘤が存在するのか、その大きさや性状はどうなのかなどを調べる際に重要な検査です。
副腎の腫瘤では、CTで確認した内部の性質などが、良性・悪性を判断するための材料になります。
国立国際医療センター
https://www.hosp.jihs.go.jp/eatc/100/adrenal_incidentaloma.html
2.そもそも副腎とは何をする臓器なのか?
今回の経験を通して、私は副腎について初めて詳しく調べました。
副腎は、左右の腎臓の上に1つずつ存在する小さな臓器です。
腎臓と名前が似ていますが、役割はまったく違います。
腎臓は血液をろ過して尿をつくりますが、副腎は体の働きを調節するホルモンを分泌しています。
副腎は、生命活動を支える重要な臓器だったのです。
主なホルモンの働きを整理してみました。
| ホルモン | 主な働き |
|---|---|
| アルドステロン | 血圧や塩分・水分の調節 |
| コルチゾール | ストレスへの対応、血糖や代謝の調節 |
| アドレナリン | 緊急時に心拍数や血圧を上げる |
| ノルアドレナリン | 血管の収縮や血圧の調節 |
つまり、副腎に異常が生じると、血圧や血糖値などに影響することもあるわけです。
私はこれまで高血圧や腎機能を気にしてきましたが、その調節には副腎も関係していることを知り、少し驚きました。
3.なぜ血液検査の前に30分も安静にしたのか?
今回、最も興味を持ったのがこの疑問でした。
副腎から分泌されるホルモンの中には、姿勢や緊張、体の活動状態などによって血液中の数値が変化するものがあります。
そのため、正確に測定するには一定時間安静にしてから採血する必要があるのです。
代表的な検査として、次のようなものがあります。
アルドステロン・レニン検査
アルドステロンは副腎から分泌されるホルモンで、血圧の調節に深く関係しています。
一方、レニンは腎臓から分泌される物質で、アルドステロンの分泌を調節する役割を持っています。
両者の数値や比率を調べることで「原発性アルドステロン症」という病気を疑う手がかりになります。
日本内分泌学会
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=30
メタネフリン検査
もう1つは、「褐色細胞腫」という副腎の腫瘍を調べるための検査です。
褐色細胞腫は、アドレナリンやノルアドレナリンなどを過剰につくることがある腫瘍です。
その代謝物であるメタネフリン類を血液中で測定する際には、20〜30分間横になって安静を保つ方法が使われます。
日本内分泌学会の2025年診療ガイドラインでも、安静にすることの重要性が示されています。
つまり、30分間寝ていたのは、ホルモンの数値をできるだけ正確に測るためだった可能性があります。
ただし、私自身は今回の血液検査でどのホルモンを測定したのか、詳しい項目までは確認できていません。
今後、検査結果の資料を入手して確かめてみたいと思います。
4.副腎の腫瘤は、癌の可能性があるのか?
これも気になったことの1つです。
調べてみると、副腎にできる腫瘤の多くは良性ですが、なかには悪性のものもあると分かりました。
日本内分泌学会によると、副腎以外の目的で行われたCTなどの画像検査で、偶然に副腎腫瘍が発見される割合は約4%とされています。
また、高齢になるほど発見される頻度が高くなるそうです。
日本内分泌学会
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=33
副腎に見つかる主な病変には、次のようなものがあります。
| 病変の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 非機能性副腎皮質腺腫 | 良性で、ホルモンを過剰につくらない |
| ホルモン産生腺腫 | 良性でもホルモン異常を引き起こすことがある |
| 褐色細胞腫 | 血圧上昇などを引き起こし、転移することもある |
| 副腎皮質癌 | 非常にまれな悪性腫瘍 |
国立がん研究センターによると、副腎皮質癌は非常にまれながんです。ホルモンの過剰分泌によって、高血圧や血糖値の上昇などが生じることもあります。
国立がん研究センター
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/adrenal_cancer/index.html
大切なのは、「副腎に腫瘤がある」ことと「癌である」ことは同じではないという点です。
また、たとえ良性であっても、ホルモンを過剰につくる腫瘍の場合は治療が必要になることがあります。
そのため副腎の精密検査では、画像だけでなくホルモンの働きも調べるのです。
5.午後5時前、医師から告げられた結果は「異常なし」
血液検査、超音波検査、CT検査を終え、午後5時前に医師から説明を受けました。
診断結果は、
「異常なし」
というものでした。
正直なところ、ホッとしました。
精密検査を受けると決まってから、やはり心のどこかに不安がありました。
結果的に、医師から追加の検査や再診を求められることもなく、今回の診察はこれで終了となりました。
なお、左副腎に疑われた腫瘤がCTで確認されなかったのか、良性の所見だったのか、詳しい説明までは受けていません。
それでも、精密検査を受け、医師から異常なしと判断されたことは大きな安心につながりました。
72歳になって、健康であることのありがたさを改めて感じた一日でした。
6.異常なしでも、今後は何に注意すればよいのか?
今回の精密検査は終了となりましたが、今後の健康管理についても考えてみました。
2023年の欧州内分泌学会の診療指針では、副腎の病変が画像上明らかに良性と判断された場合、原則として画像検査を繰り返す必要はないとされています。
一方、良性かどうか判断しきれない病変では、一定期間後のCTやMRIなどが検討されます。
私の場合、医師から再診の指示はありませんでしたので、まずはその判断に従おうと思います。
ただし、今後も次のような体調の変化には注意したいと思います。
- 急激な血圧上昇
- 繰り返す動悸や大量の発汗
- 原因不明の筋力低下
- 血糖値や体重の急な変化
これらの症状があるからといって、必ず副腎の病気というわけではありません。
大切なのは、普段と違う変化が続く場合に、医師へ相談することだと思います。
また私自身、これまで続けてきた朝晩の血圧測定や運動、食事の管理を、これからも大切にしていくつもりです。
7.検査結果の資料は、後からでも取得できる
今回、もう1つ勉強になったことがあります。
病院で「異常なし」と言われると、その場で安心して、具体的な検査数値まで確認しないこともあります。
私も今回はそうでした。
ところが、後になって「30分間安静にした血液検査では、何のホルモンを測定したのだろう?」と疑問が湧いてきました。
そこで、血液検査結果やCTの画像診断報告書を取得できないか、調べてみることにしました。
診療が終了していても、本人は医療機関に診療記録の開示を申し込むことができます。
今後の健康管理に役立てるためにも、必要な検査資料を手元に保管しておくのはよい方法だと思います。
ただし、交付方法や費用は医療機関によって異なります。申し込む際には、あらかじめ病院に確認する必要があります。
8.72歳になって、今回の精密検査から学んだこと
今回の経験で、私が学んだことは3つあります。
第1に、症状がなくても検査で異常が見つかることがあるということ。
健康診断や腹部超音波検査などで、思いがけない臓器の異常を指摘されることがあります。
第2に、副腎は血圧や血糖などを調節する重要な臓器だということ。
これまで気にしていた腎臓や血管、心臓だけでなく、ホルモンの働きにも目を向ける必要があると感じました。
第3に、精密検査を怖がりすぎず、必要なときにはきちんと受けること。
「腫瘤の疑い」と聞けば、誰でも多少の不安を感じると思います。
しかし、疑いがあることと、病気が確定したことは違います。
今回の私は、精密検査を受けたことで不安を解消することができました。
おわりに――健康で世界を見て回りたい
私は2027年4月から、ピースボートの世界一周クルーズ「Voyage126」に参加する予定です。
世界各地の景色や文化を、自分の目で見て回ることを楽しみにしています。
そのためにも、何より大切なのは健康です。
72歳という年齢になると、健康診断で思いがけない指摘を受けることもあります。
しかし、必要以上に恐れるのではなく、きちんと検査を受け、自分の体の状態を知っておくことが大切だと感じました。
今回の副腎精密検査は「異常なし」。
本当にホッとしました。
これからも自分の健康と向き合いながら、元気に世界一周クルーズへ出発できるよう、日々の健康管理を続けていきたいと思います。
同じ70代の皆さんにも、健康診断で何かを指摘されたときは、放置せず、医師と相談して必要な検査を受けていただきたいと思います。
参考資料
医学的な説明は、次の専門機関の公開資料を参考にしています。
- 日本内分泌学会「副腎偶発腫瘍」(2026年9月更新)
- 日本内分泌学会「原発性アルドステロン症」
- 国立がん研究センター「副腎皮質がん」
- 日本内分泌学会 褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2025
※この記事は本人の受診体験と公開医学資料をもとに作成しています。採血したホルモンの種類やCTの詳細所見は未確認であり、特定の病気を検査したと断定するものではありません。
