海外でカードを使うなら必ず知っておきたい―スキミング・盗難から身を守る方法と「もしもの時」の完全対応ガイド

世界一周旅行や海外旅行では、現金を大量に持ち歩かなくて済むクレジットカードやデビットカードは欠かせません。
しかし、日本と同じ感覚でカードを使っていると、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
特に注意したいのが、
「スキミング」「カード情報の盗用」「ATMでの暗証番号盗み見」「カード・財布そのものの盗難」
です。
怖いのは、カードそのものが手元に残っているのに、不正利用されるケースです。
今回は海外旅行を予定している70代の方にも分かりやすいように、
「どうすれば防げるか」
「被害に遭ったら何をすればいいか」
「カード会社にはどこへ連絡するか」
「外国の警察ではどうすればいいか」
をまとめました。
1.「スキミング」とは何か?
スキミングとは、カードの磁気情報などを不正に読み取り、その情報を悪用する犯罪です。
ソニー銀行も、カード情報を読み取って偽造カードを作り、ATMから預金を引き出す手口などについて注意を呼びかけています。
厄介なのは、
「カードが盗まれていないので、本人が気付きにくい」
という点です。
たとえば海外のATMに不正な読み取り装置が取り付けられていた場合、
カードをATMに入れる
↓
カード情報を読み取られる
↓
暗証番号も盗み見られる
↓
後日、不正に現金を引き出される
ということがあります。
2.海外で特に注意したいカード事故
海外旅行では、次のようなケースに注意します。
① ATMのスキミング
ATMのカード挿入口などに不正な装置が取り付けられているケースです。
ATMを利用するなら、
銀行の支店内、空港、ホテルなど管理された場所のATMを優先する
のが基本です。
カード挿入口に不自然な部品がないかも確認します。
② 暗証番号の盗み見
カード情報だけでなく、暗証番号まで知られると被害が大きくなる可能性があります。
ATMで暗証番号を入力するときは、
反対側の手でテンキーを隠す
習慣をつけておきましょう。
後ろに人が近づいてきたら、いったん操作を中止するくらいで構いません。
③ 店員がカードを見えないところへ持っていく
レストランやショップでカードを渡したところ、
「少々お待ちください」
と言って、店員がカードを店の奥へ持っていく。
これは要注意です。
日本クレジットカード協会も、「カードを店の奥に持って行かれ、しばらく返してもらえなかった」場合など、不審な点があればカード会社へ連絡するよう案内しています。
できるだけ、
自分の目の前でカードを処理してもらう
ことが大切です。
④ 財布ごとの盗難
観光地、駅、地下鉄、混雑した市場などでは、スリにも注意が必要です。
財布に、
・クレジットカード
・デビットカード
・現金
・運転免許証
・その他の身分証明書
を全部まとめて入れていると、財布を1個盗まれただけですべて失います。
したがって海外では、
カードを1か所にまとめない
ことが非常に重要です。
⑤ カード番号を盗まれる
カードの表裏をスマートフォンで撮影されるなどして、
カード番号
有効期限
セキュリティコード
を知られるケースにも注意します。
カードを不用意に人へ渡したままにしないことが基本です。
⑥ 偽メール・SMS・フィッシング
海外旅行中でも、
「カードが停止されました」
「不正利用を確認してください」
などというSMSやメールが届くことがあります。
慌ててリンクを押して、
カード番号
パスワード
認証番号
などを入力してはいけません。
メールやSMSのリンクからではなく、公式アプリから確認する習慣をつけておくと安心です。
3.私なら海外へカードを4枚持って行く
世界一周旅行のような長期旅行なら、カードを1枚だけにするのはおすすめできません。
たとえば、
・Sony Bank WALLET
・Wise
・三井住友カード(NL)
・dカード GOLD
というように複数のカードを用意しておけば、1枚が止まっても別のカードを使えます。
ただし重要なのは、
「4枚を同じ財布に入れない」
ことです。
財布を盗まれたら4枚ともなくなってしまいます。
たとえば、
普段使うカード……財布
予備カード……別のバッグ
さらに予備……船室・ホテルの安全な場所
というように分散しておく方法があります。
4.カードがない!――最初にすること
ここからが最も重要です。
海外で財布やカードがなくなったことに気付いたら、
「探してから連絡しよう」ではなく、まずカードを止める
ことを優先します。
特に盗難の可能性が高ければ、
①カードを停止する
②利用明細を確認する
③カード会社へ連絡する
④現地警察へ届ける
という流れで動きます。
カード会社によってはアプリからすぐ停止できます。
5.Sony Bank WALLETの場合
Sony Bank WALLETでは、カードの利用停止などの手続きができます。
また、不正利用被害についてソニー銀行は、速やかに「不正利用緊急ダイヤル」へ通知するよう案内しています。
不正利用緊急ダイヤル
03-6731-1340
年中無休・24時間
国内フリーダイヤルは、
0120-365-738
です。
通常のカード紛失・盗難窓口は、
固定電話
0120-365-723
携帯電話
0570-011-723
フリーダイヤル・ナビダイヤルを利用できない場合
03-6730-2700
となっています。
通常窓口は平日9:00~17:00で、営業時間外の不正利用については24時間の不正利用緊急ダイヤルが案内されています。
6.Wiseカードの場合
Wiseカードの場合は、まずアプリまたはアカウントからカードを凍結できます。
カードを紛失したものの見つかる可能性がある場合は「凍結」、盗難などで戻ってくる見込みがなければカード交換の手続きを行います。
Wiseによると、カードを交換すると古いカードは永久に利用できなくなります。
注意したいのは、Wiseについては日本向けの固定した「海外紛失専用電話番号」を覚えておくというより、
Wiseにログイン → ヘルプ → 問い合わせ
から、その地域・状況に合った連絡方法を確認する仕組みになっていることです。
Wise自身も、問い合わせ時にはまずログインすることを推奨しています。電話回線は24時間年中無休と案内されています。
したがってWiseについては、
「電話番号だけを紙に書く」のではなく、アプリからカードを凍結する方法を出航前に一度確認しておく
ことが重要です。
7.三井住友カード(NL)の場合
三井住友カードは、VpassアプリまたはVpassのWEBサービスからカード停止・再発行の手続きができます。
海外で電話連絡が必要な場合は、
三井住友カード紛失・盗難受付デスク(海外)
へ連絡します。
国・地域によってオートコレクトコール番号が異なります。
それ以外の国・地域、または電話がつながりにくい場合は、
+81-3-6627-4067
へ、現地の国際電話オペレーターを通じてコレクトコールを申し出るよう案内されています。
世界一周のように多数の国を訪問する場合は、国ごとの電話番号を全部覚えるより、
Vpassアプリから停止できることと、この海外用連絡先を紙でも保存しておく
のが現実的です。
8.dカード GOLDの場合
海外でdカード GOLDを紛失・盗難した場合は、
dカード 海外緊急サポートデスク
へ連絡します。
海外から
+81-3-6838-9187
24時間・年中無休
です。
Visaブランドの場合、条件に応じて海外で暫定的な緊急カードの発行サービスもあります。dカード GOLD会員については、公式案内上、緊急カードサービスは無料とされています。
国内のdカード ゴールドデスクは、
ドコモ携帯電話から
*9010
一般電話・ドコモ以外の携帯電話から
0570-070-360
受付時間10:00~18:00、年中無休です。
9.財布を盗まれたら現地警察へ行く
ここは非常に重要です。
財布やカードを盗まれた場合、
カード会社に電話して終わりではありません。
現地警察へ届け出ます。
外務省も、海外で盗難・紛失の被害に遭った場合には、まず現地警察に届け出て、
「被害届の受理書(ポリスレポート)」
を受け取るよう案内しています。
ポリスレポートは、
・カード会社への手続き
・海外旅行保険の請求
・パスポート紛失時の手続き
などで必要になる場合があります。
10.警察では何を伝えるのか?
まずホテルのフロントや船のスタッフなどに、
「財布を盗まれました。警察に届けたい」
と相談するのも方法です。
警察では、
・氏名
・パスポート情報
・盗難に気付いた日時
・盗難場所
・財布の特徴
・現金の金額
・盗まれたカード
・その他の盗難品
・どのような状況だったか
などを説明します。
11.警察で使える最低限の英語
英語が得意でなくても、次の言葉をスマートフォンに保存しておけばかなり役立ちます。
My wallet was stolen.
財布を盗まれました。
My credit cards were stolen.
クレジットカードを盗まれました。
I would like to report the theft.
盗難届を出したいです。
そして特に重要なのが、
Could I have a copy of the police report?
「ポリスレポートのコピーをもらえますか?」
です。
12.もしパスポートまで盗まれたら
財布だけでなくパスポートも盗まれた場合は、
現地警察への届出+最寄りの日本大使館・総領事館への連絡
が必要になります。
外務省によると、在外公館では現地警察への届出に関する助言や、必要に応じて通訳・弁護士などの情報提供を受けられます。
そのため世界一周旅行では、訪問国の日本大使館・総領事館を調べられるようにしておくことも重要です。
13.旅行前にしておきたい「7つの準備」
海外へ出発する前に、最低限次の準備をしておきます。
- カード会社の緊急連絡先を紙にも保存する
- カード4枚を同じ財布に入れない
- カード番号そのものを丸ごと紙に書いて持ち歩かない
- 各カード会社の公式アプリを設定する
- 利用通知をONにする
- ATMの利用限度額を必要以上に高くしない
- パスポートのコピーや必要な情報を別に保管する
特に「利用通知」は重要です。
スキミングの場合、カードそのものは手元に残っているため、
通知が来て初めて不正利用に気付く
可能性があるからです。
まとめ――海外では「カードをなくさない」だけでは足りない
海外でカードを安全に使うために大切なのは、
カードを肌身離さず管理すること。
暗証番号を隠すこと。
怪しいATMを使わないこと。
カードを店員の見えない場所へ持って行かせないこと。
カードを複数に分散すること。
利用通知を確認すること。
そして事故に遭ったら、
カード停止 → 明細確認 → カード会社へ連絡 → 現地警察へ届出 → ポリスレポートを受け取る
この流れを覚えておきましょう。
海外で財布を盗まれたとき、人はかなり動揺します。
しかも外国語で警察やカード会社へ連絡しなければならないとなれば、なおさらです。
だからこそ、旅行に出る前に準備しておく。
海外旅行のカード対策で一番大切なのは、実はそれなのかもしれません。

※電話番号やサービス内容は変更されることがあります。本記事は2026年10月1日時点の各社公式情報をもとに作成しています。長期の海外旅行へ出発する前には、各カード会社の公式サイト・公式アプリで最新情報を再確認してください。
