第11回 昭和のテレビアニメベスト10
― テレビの前に家族が集まった、あの頃 ―
昭和の時代、テレビは今とは少し違う存在でした。
今のようにスマホもYouTubeもありません。録画機器さえない時代には、見たい番組が始まる時間になると、子どもたちは遊びを切り上げて家へ帰りました。
「もうすぐ鉄腕アトムが始まるぞ!」
「巨人の星を見なくちゃ!」
そんな声が聞こえてきそうです。
白黒テレビからカラーテレビへ。昭和30年代から50年代にかけて、テレビアニメは子どもたちの楽しみの中心になっていきました。
今回は、昭和を代表する懐かしいテレビアニメを、私なりに**「昭和のテレビアニメベスト10」**として振り返ってみたいと思います。
第10位 タイガーマスク

1969年(昭和44年)にテレビ放送が始まった「タイガーマスク」。
主人公・伊達直人は、悪役レスラー養成組織「虎の穴」で鍛えられたプロレスラーでした。
しかし、自分が育った孤児院の子どもたちを助けるため、やがて虎の穴と戦うことになります。
リングの上では強いレスラー。
しかし、その心には子どもたちへの優しさがある。
単なるプロレスアニメではなく、強さとは何か、優しさとは何かを教えてくれた作品でした。
第9位 ゲゲゲの鬼太郎

妖怪漫画の巨匠・水木しげるさんの代表作です。
テレビアニメ第1シリーズは1968年(昭和43年)に放送開始。
鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、猫娘など、個性的なキャラクターが次々と登場しました。
少し怖い。でも見たい。
子どもの頃、そんな気持ちでテレビを見ていた人も多いのではないでしょうか。
妖怪を通じて、人間の欲や弱さまで描いていたところも、この作品の奥深さでした。
第8位 科学忍者隊ガッチャマン

1972年(昭和47年)放送開始。
「大鷲の健」を中心とする5人の科学忍者隊が、秘密結社ギャラクターと戦う物語です。
「誰だ、誰だ、誰だ〜♪」
この主題歌を聞いただけで、当時を思い出す人も多いでしょう。
ガッチャマンの格好良さはもちろん、科学や未来への憧れを感じさせてくれたアニメでした。
昭和40〜50年代は科学技術が急速に発展した時代でもあり、そんな時代の空気を感じさせる作品だったと思います。
第7位 ルパン三世

ルパン三世のテレビアニメ第1シリーズは1971年(昭和46年)に放送開始。
ルパン、次元大介、石川五ェ門、峰不二子、そして銭形警部。
この5人の組み合わせは、今でも変わらない魅力があります。
子ども向け作品が多かった当時のアニメの中で、ルパン三世には少し大人の雰囲気がありました。
車、拳銃、外国の街並み、美女、そして洒落た音楽。
「大人になったら、こんな世界があるのかな」
そんな憧れを感じた人もいたのではないでしょうか。
第6位 アルプスの少女ハイジ

1974年(昭和49年)放送。
アルプスの大自然の中で暮らす少女ハイジと、おじいさん、ペーター、クララたちの物語です。
派手な戦いやロボットは登場しません。
それでも毎週楽しみに見ていました。
美しい山、ヤギたち、干し草のベッド、暖炉で溶かしたチーズ……。
当時の日本の子どもたちにとって、アルプスの生活はまるで別世界でした。
ハイジの明るさと、おじいさんの不器用な優しさ。
大人になってから見ると、子どもの頃とはまた違った感動があります。
第5位 宇宙戦艦ヤマト

1974年(昭和49年)放送開始。
滅亡の危機にある地球を救うため、宇宙戦艦ヤマトが遥かイスカンダルを目指します。
古代進、森雪、沖田艦長……。
そして何と言っても、あの壮大な主題歌です。
それまで「アニメは子どもが見るもの」という印象も強かった中で、宇宙戦艦ヤマトは大人も楽しめる壮大な物語を描きました。
命、友情、戦争、故郷への思い。
昭和アニメの歴史を変えた作品の一つではないでしょうか。
第4位 天才バカボン

1971年(昭和46年)放送開始。
赤塚不二夫さん原作のギャグアニメです。
バカボン、バカボンのパパ、ママ、ハジメちゃん。
さらにレレレのおじさんや本官さんなど、個性的な人物が次々に登場しました。
「これでいいのだ!」
この言葉は、今でも多くの人が知っています。
理屈では説明できない無茶苦茶な世界なのに、なぜか笑ってしまう。
学校や仕事で嫌なことがあっても、バカボンを見ている間だけは笑えた。
昭和のお茶の間を明るくしてくれたアニメでした。
第3位 巨人の星

1968年(昭和43年)放送開始。
星飛雄馬が父・星一徹の厳しい指導を受けながら、巨人軍の選手を目指す物語です。
「巨人の星」は、まさに昭和のスポ根アニメを代表する作品でした。
努力、根性、涙、友情、ライバルとの戦い。
今見ると「そこまでやるのか」と驚くような猛特訓もあります。
しかし、高度経済成長期の日本には、
「努力すれば夢はかなう」
という空気がありました。
巨人の星は、そんな昭和という時代そのものを映していたように思います。
第2位 サザエさん

テレビアニメ「サザエさん」は1969年(昭和44年)に放送開始。
サザエさん、マスオさん、カツオ、ワカメ、タラちゃん、波平さん、フネさん。
日曜日の夕方になると、家族みんなでサザエさんを見る。
そんな家庭も多かったでしょう。
大事件が起こるわけではありません。
家族で食事をする。
近所の人と話をする。
子どもを叱る。
そして最後には笑う。
そこには、昭和の日本の家庭の姿がありました。
長い年月を経ても親しまれているのは、私たちがサザエさん一家の中に「家族の温かさ」を感じるからなのかもしれません。
第1位 鉄腕アトム

私が昭和のテレビアニメ第1位に選びたいのは、やはり**「鉄腕アトム」**です。
1963年(昭和38年)に国産初の本格的な30分テレビアニメシリーズとして放送が始まりました。
原作は手塚治虫さん。
10万馬力のロボット少年アトムが、人間とロボットが共存する未来の世界で活躍します。
当時の日本は高度経済成長の真っただ中。
新幹線が走り始め、東京オリンピックが開催され、家庭にはテレビ、冷蔵庫、洗濯機などが普及していきました。
「未来はもっと便利になる」
「科学が世界を変えていく」
そんな夢を、日本中が持っていた時代です。
鉄腕アトムには、その昭和の未来への希望が詰まっていました。
惜しくもベスト10に入らなかった名作たち
昭和には、まだまだ忘れられないアニメがあります。
「鉄人28号」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」「あしたのジョー」「デビルマン」「マジンガーZ」「キャンディ・キャンディ」「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダム」「ドラえもん」「Dr.スランプ アラレちゃん」など……。
人によっては、
「なぜ、あしたのジョーが入っていないんだ!」
「マジンガーZこそ昭和を代表するアニメだ!」
と言いたくなるかもしれません。
それでいいのだと思います。
自分だけのベスト10があることこそ、昭和のアニメがそれだけ豊かだった証拠です。
テレビの前に家族が集まった時代
昭和のテレビアニメを思い出していると、作品そのものだけでなく、その頃の暮らしまで思い出します。
夕方まで外で遊び、暗くなったら家へ帰る。
夕食を食べながらテレビを見る。
チャンネルを変えようとすると、兄弟で喧嘩になる。
父親が帰ってくると、野球中継に変えられてしまう。
今なら一人一台スマホを持ち、それぞれ好きな動画を見ることができます。
便利になりました。
しかし、一台のテレビを家族みんなで囲んだ時間は、昭和ならではの温かい思い出だったように感じます。
昭和のアニメは「時代の記憶」でもある
鉄腕アトムには未来への希望。
巨人の星には努力と根性。
ハイジには自然と人の優しさ。
宇宙戦艦ヤマトには命と故郷への思い。
サザエさんには家族の日常。
昭和のアニメには、その時代を生きた人たちの価値観や夢が映し出されています。
だから、何十年たっても主題歌を聞いただけで、あの日の記憶がよみがえるのでしょう。
テレビの前に座っていた自分。
一緒に見ていた兄弟や友達。
若かった父や母。
そして、もう戻ることのできない昭和の風景。
アニメは単なる子ども番組ではなく、私たちの人生の一部分になっているのかもしれません。
皆さんの「昭和アニメ第1位」は何ですか?
今回、私なりに選んだベスト10は、
- 鉄腕アトム
- サザエさん
- 巨人の星
- 天才バカボン
- 宇宙戦艦ヤマト
- アルプスの少女ハイジ
- ルパン三世
- 科学忍者隊ガッチャマン
- ゲゲゲの鬼太郎
- タイガーマスク
となりました。
しかし、昭和を過ごした年代によって思い出のアニメは大きく違うでしょう。
皆さんが子どもの頃、一番楽しみにしていたアニメは何だったでしょうか。
久しぶりに昔の主題歌を聞けば、テレビの前で夢中になっていたあの頃へ、一瞬だけ帰れるかもしれません。
〜昭和・平成のあたたかい記憶〜
次回も、懐かしい「あの日、あの時」を振り返ってみたいと思います。
