今日のニュース 深掘り 病院でもらう湿布や風邪薬が高くなる?

70代が知っておきたい「OTC類似薬」の保険見直し

2026年9月11日


まず結論

「保険からすべて外す」という話ではありません

「OTC類似薬の保険給付見直し」とは、対象薬をすべて自費にする制度ではありません。

保険診療を維持しながら、通常の自己負担に加えて、対象薬剤の薬剤費の4分の1にあたる「特別の料金」を求める仕組みです。


なぜ導入するのか

市販薬は全額自己負担ですが、似た成分の薬を病院で処方されると保険が使えます。政府は、この違いによる不公平感の解消と、医療保険財政の負担軽減を目指しています。


OTCとは何か

OTCは「Over The Counter」の略で、市販薬を指します。

OTC類似薬は、市販薬と同じ成分などを含み、医師の処方で使われる医療用医薬品です。対象候補は77成分、約1,100品目です。

対象には、鼻炎、胃痛、痛み止め、湿布、風邪症状、便秘、アレルギーなど、身近な薬が含まれます。


薬代はいくら増えるのか

3割負担の場合の試算です。

  • 解熱鎮痛薬・5日分:45円 → 72円
  • 痰の薬・5日分:45円 → 72円
  • 便秘薬・30日分:360円 → 570円
  • 抗アレルギー薬・30日分:540円 → 855円

1回の負担は小さくても、複数の薬を長期間使うと影響は大きくなります。2027年度以降、対象薬や特別料金の拡大も検討されています。


湿布はどうなるのか

湿布も制度との関係が議論されていますが、病院の湿布がすべて一律に対象になるわけではありません。

対象品目や追加負担を求めない条件は今後決まるため、医師や薬剤師に確認してください。


高齢者全員が対象ではありません

子ども、がん患者、難病患者など、一定の慢性疾患がある人、低所得者、入院患者などには配慮が検討されています。

医師が長期使用を医療上必要と判断した場合も、追加負担を求めない方向です。


受診を控えないでください

「薬代が高くなるなら病院へ行かない」と考えるのは危険です。

咳や熱が続く、息苦しい、体重が減る、強い痛みがある、便秘が急に悪化したなどの症状は、別の病気が隠れている可能性があります。

軽い症状で市販薬を使うセルフメディケーションと、必要な受診を我慢することは別です。


今からできること

お薬手帳で服用中の薬を確認し、次回の受診時に「この薬は追加負担の対象になりますか」と医師や薬剤師に尋ねてみましょう。

薬代を理由に、血圧薬、心臓病薬、糖尿病薬、血液を固まりにくくする薬などを自己判断で中止してはいけません。変更や中止は必ず相談してください。


実施はいつからか

法律は2026年5月29日に成立し、厚生労働省は2027年3月の施行に向けて制度設計を進めています。

現在は、対象薬や追加負担の対象外となる人について議論が続いています。


まとめ

今回の見直しは、OTC類似薬をすべて保険から外すものではありません。保険を維持しながら、対象薬に薬剤費の4分の1の特別料金を加える仕組みです。

対象候補は77成分、約1,100品目。抗アレルギー薬では、3割負担で540円から855円になる試算もあります。

大切なのは、薬代を理由に受診を控えたり、薬を自己判断で中止したりしないことです。今後の制度変更を確認しながら、医師や薬剤師に相談しましょう。

※ 厚労省が示した最新の制度イメージでは、3割負担の場合、解熱鎮痛薬5日分は45円→72円、便秘薬30日分は360円→570円、抗アレルギー薬30日分は540円→855円という例が示されています。これは診察料などを含む総医療費ではなく、薬剤料部分の例です。また、今日9月11日の第215回医療保険部会でも「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について」が議題になっています。

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