昭和・平成を彩った「隠れた名曲100選」

――1954年生まれの私たちは何歳だった?

「あの曲を聴くと、なぜか昔の景色まで思い出す。」

音楽には、そんな不思議な力があります。

学生時代、ラジオから流れてきた歌。
初めて買ったレコード。
車のカセットテープで何度も聴いた曲。
好きだった人と一緒に聴いた曲。

1954年生まれの人は、1974年には20歳、1984年には30歳、1994年には40歳、2004年には50歳になりました。

つまり昭和・平成の歌は、そのまま私たちの人生の時間でもあります。

今回は、単なる「ヒット曲ベスト100」ではありません。

大ヒット曲の陰に隠れていた曲、アルバムの中で光っていた曲、そして何十年もたってから改めて評価された曲も含めて、

「今、もう一度聴いてみたい100曲」

を選びました。


【昭和編】50曲

20代だった1970年代

1.白い冬/ふきのとう

1974年・20歳

冬の寂しさと青春の切なさ。20歳の頃の空気まで思い出させてくれるような曲です。

2.夕暮れ時はさびしそう/NSP

1974年・20歳

夕暮れという言葉だけで、学生時代の帰り道が浮かんできそうです。

3.想い出まくら/小坂恭子

1975年・21歳

静かに語りかけるような歌声が印象的。昭和フォークの隠れた名曲です。

4. 目覚めた時には晴れていた/伝書鳩

1976年・22歳

阿久悠作詞、坂田晃一作曲。忘れらかけているのが惜しい一曲です。

5.池上線/西島三重子

1976年・22歳

駅、電車、別れ。昭和の東京の風景が一曲の中に閉じ込められています。

6.わかって下さい/因幡晃

1976年・22歳

若い頃よりも、年齢を重ねてから胸に響く歌かもしれません。

7.春うらら/田山雅充

1976年・22歳

昭和の春の柔らかな空気を感じます。

8. 冷たい雨/ハイ・ファイ・セット

1976年・22歳

美しいハーモニーと都会的な切なさが魅力です。

9.ささやかなこの人生/風

1976年・22歳

伊勢正三の世界をじっくり味わいたい一曲。

10.君と歩いた青春/風

1976年・22歳

70代になってからタイトルを見るだけでも、何か胸に迫るものがあります。

11.夢で逢えたら/吉田美奈子

1976年・22歳

大瀧詠一が生み出し、多くの歌手に歌い継がれた名曲。

12.雨の物語/イルカ

1977年・23歳

イルカといえば「なごり雪」ですが、こちらも忘れたくない曲です。

13.冬が来る前に/紙ふうせん

1977年・23歳

秋の終わりになると、なぜか思い出す一曲。

14.マイ・ピュア・レディ/尾崎亜美

1977年・23歳

軽快で都会的。昭和の新しいポップスの時代を感じます。

15.シンプル・ラブ/大橋純子

1977年・23歳

大橋純子の歌唱力と都会的なサウンドが光ります。

16.都会/大貫妙子

1977年・23歳

発売当時より、むしろ今の時代に再評価してほしい一曲。

17.恋は流星/吉田美奈子

1977年・23歳

夜のドライブにも似合う、日本のシティポップを代表する名曲の一つ。

18.夢一夜/南こうせつ

1978年・24歳

フォーク歌手・南こうせつとは少し違った、大人の世界があります。

19.季節の中で/松山千春

1978年・24歳

これは隠れた曲とは言えないほどのヒットですが、青春時代を語るうえで外せません。

20.埠頭を渡る風/松任谷由実

1978年・24歳

夜の港、車、都会。昭和の若者が憧れた世界が浮かびます。

21.モンロー・ウォーク/南佳孝

1979年・25歳

夏と都会と大人の恋。今聴いても洒落ています。


30代へ――1980年代

22.恋人よ/五輪真弓

1980年・26歳

秋から冬にかけて聴きたくなる、大人の別れの歌。

23.さらばシベリア鉄道/太田裕美

1980年・26歳

松本隆と大瀧詠一による壮大な世界観。

24.ペガサスの朝/五十嵐浩晃

1980年・26歳

爽やかなメロディー。ラジオから流れていた時代を思い出します。

25.春咲小紅/矢野顕子

1981年・27歳

一度聴けば忘れられない、不思議で明るい世界。

26.街角トワイライト/シャネルズ

1981年・27歳

昭和の夜の街が、そのまま音楽になったような一曲。

27.フライディ・チャイナタウン/泰葉

1981年・27歳

近年再評価された日本のシティポップ。今聴くと新鮮です。

28.シルエット・ロマンス/大橋純子

1981年・27歳

大人になり始めた頃だからこそ響いたラブソング。

29.土曜の夜はパラダイス/EPO

1982年・28歳

土曜日の夜が特別だった時代を思い出します。

30.恋人も濡れる街角/中村雅俊

1982年・28歳

桑田佳祐作詞・作曲。港町の夜によく似合います。

31.夏をあきらめて/研ナオコ

1982年・28歳

桑田佳祐の曲を研ナオコが歌うことで、独特の哀愁が生まれました。

32.ドラマティック・レイン/稲垣潤一

1982年・28歳

雨の夜のドライブで聴きたくなる都会派ポップス。

33.夏のクラクション/稲垣潤一

1983年・29歳

夏の終わりの寂しさを感じさせる名曲です。

34.ワインレッドの心/安全地帯

1983年・29歳

玉置浩二の歌声が世の中に強烈な印象を残しました。

35.初恋/村下孝蔵

1983年・29歳

何歳になっても「初恋」という言葉には特別な響きがあります。

36.一本の音楽/村田和人

1983年・29歳

今回の「隠れた名曲」というテーマに、特によく似合う爽快な一曲。

37.悲しみがとまらない/杏里

1983年・29歳

40年以上たっても古びない都会的なサウンド。

38.Woman “Wの悲劇”より/薬師丸ひろ子

1984年・30歳

松任谷由実による美しいメロディーと透明感のある歌声。

39.そして僕は途方に暮れる/大沢誉志幸

1984年・30歳

30歳になった頃。若者から大人へ移っていく時代の孤独感にも重なります。

40.踊り子/村下孝蔵

1984年・30歳

「初恋」に隠れがちですが、こちらも忘れたくない名曲。

41.恋におちて -Fall in love-/小林明子

1985年・31歳

昭和の大人の恋愛を象徴する一曲。

42.ふたりの夏物語/杉山清貴&オメガトライブ

1985年・31歳

海、車、夏。80年代の空気が凝縮されています。

43.ガラス越しに消えた夏/鈴木雅之

1986年・32歳

夏の終わりの切なさと大人の恋。

44.最後のHoly Night/杉山清貴

1986年・32歳

冬になると今でも聴きたくなるバラード。

45.接近(アプローチ)/南野陽子

1986年・32歳

アイドル歌謡にも、改めて聴きたい佳曲があります。

46.夏の終りのハーモニー/井上陽水・安全地帯

1986年・32歳

前回は平成編に入れてしまいましたが、1986年9月25日発売。正真正銘の昭和の名曲です。

47.YOU/大江千里

1987年・33歳

不器用な恋愛を描いた、大江千里らしい一曲。

48.駅/竹内まりや

1987年・33歳

駅で偶然昔の恋人を見かける――大人になったからこそ分かる世界があります。

49.Rain/大江千里

1988年・34歳

1988年のアルバム『1234』に収録。後に多くの歌手にカバーされ、再発見された名曲です。

50.悲しいね/渡辺美里

1987年・33歳

大ヒット曲の陰に隠れがちですが、冬の空気と青春の切なさを感じる一曲です。


【平成編】50曲

平成が始まった1989年、1954年生まれなら35歳。

仕事でも家庭でも中心的な役割を担い始める年代でした。

音楽もレコードからCDへ大きく変わっていきます。


1990年代――CD黄金時代

51.サイレント・イヴ/辛島美登里

1990年・36歳

冬の夜になると今でも聴きたくなる名バラード。

52.ZUTTO/永井真理子

1990年・36歳

平成初期の爽やかな空気がよみがえります。

53.恋しくて/BEGIN

1990年・36歳

BEGINの原点。派手さはありませんが、心に残ります。

54.PIECE OF MY WISH/今井美樹

1991年・37歳

人生で迷った時に聴くと、違った意味で心に届く曲です。

55.Woman/中西圭三

1992年・38歳

伸びやかな歌声と平成初期らしいサウンド。

56.部屋とYシャツと私/平松愛理

1992年・38歳

当時、歌詞の内容が大きな話題になりました。

57.最後の雨/中西保志

1992年・38歳

平成を代表する男性バラードの一つ。

58.糸/中島みゆき

1992年・38歳

発売当初以上に、後年になって広く知られるようになった代表的な「再発見の名曲」。

59.渡良瀬橋/森高千里

1993年・39歳

風景そのものを思い出に変えてしまうような歌です。

60.慟哭/工藤静香

1993年・39歳

中島みゆき作詞によるドラマチックな一曲。

61.接吻 kiss/ORIGINAL LOVE

1993年・39歳

平成の都会派ラブソング。

62.TOMORROW/岡本真夜

1995年・41歳

落ち込んだ時に元気をもらった人も多いでしょう。

63.ロビンソン/スピッツ

1995年・41歳

大ヒット曲ですが、平成の音楽を振り返るなら外せません。

64.ALONE/岡本真夜

1996年・42歳

「TOMORROW」とはまったく違う、切ない岡本真夜の魅力。

65.誰より好きなのに/古内東子

1996年・42歳

大人の恋愛の微妙な心の動きを描いた名曲。

66.プライマル/ORIGINAL LOVE

1996年・42歳

田島貴男の歌声が胸に残ります。

67.Swallowtail Butterfly ~あいのうた~/YEN TOWN BAND

1996年・42歳

90年代独特の空気をまとった一曲。

68.PRIDE/今井美樹

1996年・42歳

静かですが芯の強さを感じる歌です。

69.ひだまりの詩/Le Couple

1997年・43歳

優しいメロディーと歌声。聴くと気持ちが穏やかになります。

70.強く儚い者たち/Cocco

1997年・43歳

独特の歌詞と世界観が忘れられません。

71.歌うたいのバラッド/斉藤和義

1997年・43歳

発売当初より、長い年月をかけて評価されてきた曲の一つです。

72.Raining/Cocco

1998年・44歳

美しさと痛みが同居するような一曲。

73.Time goes by/Every Little Thing

1998年・44歳

平成の失恋バラードを代表する曲。

74.There will be love there -愛のある場所-/the brilliant green

1998年・44歳

90年代後半の音楽を象徴するようなサウンド。

75.楓/スピッツ

1998年・44歳

年齢を重ねてから聴くと、さらに心に染みます。

76.Over and Over/Every Little Thing

1999年・45歳

派手ではありませんが、何度も聴きたくなる一曲。


2000年代――50代へ

77.月光/鬼束ちひろ

2000年・46歳

登場した時の衝撃を覚えている人も多いでしょう。

78.Everything/MISIA

2000年・46歳

MISIAの圧倒的な歌唱力を世に知らしめたバラード。

79.サウダージ/ポルノグラフィティ

2000年・46歳

独特のリズムと言葉の響きが今でも新鮮です。

80.眩暈/鬼束ちひろ

2001年・47歳

「月光」の陰に隠れがちですが、ぜひ聴き直したい一曲。

81.ハナミズキ/一青窈

2004年・50歳

50歳になった頃。若い頃とは違った気持ちで歌を聴き始める年代です。

82.かたち あるもの/柴咲コウ

2004年・50歳

静かな切なさが心に残るバラード。

83.奏(かなで)/スキマスイッチ

2004年・50歳

別れと旅立ちの季節になると聴きたくなります。

84.愛し君へ/森山直太朗

2004年・50歳

「さくら」だけではない森山直太朗の魅力を感じます。

85.茜色の夕日/フジファブリック

2005年・51歳

故郷を離れて暮らした経験のある人には特に響きます。

86.三日月/絢香

2006年・52歳

離れている大切な人を思う歌。

87.鱗(うろこ)/秦基博

2007年・53歳

一歩踏み出す勇気を感じさせてくれます。

88.若者のすべて/フジファブリック

2007年・53歳

夏の終わりの風景が浮かぶ、後世に残したい一曲。

89.366日/HY

2008年・54歳

忘れられない人への思いを歌った平成の名バラード。

90.愛をこめて花束を/Superfly

2008年・54歳

年齢を重ねるほど「ありがとう」という言葉が心に響きます。

91.帰りたくなったよ/いきものがかり

2008年・54歳

故郷や家族を思い出させる温かな一曲。

92.やさしさで溢れるように/JUJU

2009年・55歳

大切な人を思う気持ちを、まっすぐに歌っています。


2010年代――60代へ

93.アイ/秦基博

2010年・56歳

静かですが、聴けば聴くほど味わいが増します。

94.Wherever you are/ONE OK ROCK

2010年・56歳

若い世代のバンドですが、70代が聴いても十分に心に響くラブソングです。

95.くだらないの中に/星野源

2011年・57歳

何気ない毎日の中にある幸せを描いた一曲。

96.家族になろうよ/福山雅治

2011年・57歳

若い頃より、家族との年月を重ねてからの方が響く歌かもしれません。

97.日々/吉田山田

2013年・59歳

長年連れ添った夫婦の日常を描いた、今回ぜひ入れたかった一曲です。

98.明日への手紙/手嶌葵

2016年・62歳

静かな歌声だからこそ、人生を振り返る年代の心に染みます。

99.蝶々結び/Aimer

2016年・62歳

人と人との結びつきを、美しく繊細に表現しています。

100.なんでもないや/RADWIMPS

2016年・62歳

若い世代の音楽にも、年齢を超えて胸に届く曲があります。


1954年生まれで振り返ると、音楽が「自分史」になる

今回、曲の横に年齢を入れてみると、単なる100曲のリストとはまったく違って見えてきます。

1974年・20歳。

「白い冬」や「夕暮れ時はさびしそう」を聴いていた頃。

1984年・30歳。

「Woman “Wの悲劇”より」や「そして僕は途方に暮れる」が流れていました。

1994年・40歳。

仕事や家庭で忙しく、昔ほど音楽をじっくり聴く時間がなくなっていた人もいるでしょう。

2004年・50歳。

「ハナミズキ」「奏」「愛し君へ」が登場します。

2014年・60歳。

定年や第二の人生を意識し始める頃です。

こうして見ると、音楽は単なる流行ではありません。

その曲が流れていた時、

「自分はどこに住んでいたか」
「どんな仕事をしていたか」
「誰と一緒にいたか」

まで思い出すことがあります。


レコードからスマホまで――音楽の聴き方も変わった

昭和の若い頃はレコードでした。

ラジオから好きな曲が流れてくるのを待ち、カセットテープに録音したこともありました。

車にはカセットテープを何本も持ち込みました。

平成になるとCD、MD、iPod。

そして今ではスマートフォン一台で、昭和の曲も平成の曲もすぐに探して聴けます。

便利さはまったく違います。

しかし、不思議なことに、

昔の一曲を聴いた瞬間に昔へ戻る感覚だけは、何も変わりません。


70代になった今、昔の歌をもう一度聴いてみる

若い頃には恋愛の歌として聴いていた曲が、70代になって聴くと違って聞こえることがあります。

「君と歩いた青春」。

若い頃なら恋人を思ったかもしれません。

70代になった今なら、

「あの頃、一緒に歩いた人たちはどうしているだろう」

と思うかもしれません。

「日々」を聴けば、夫婦として重ねてきた何十年もの時間を思う人もいるでしょう。

同じ曲なのに、自分が年齢を重ねると意味が変わる。

これも音楽の面白さではないでしょうか。


あなたが加えたい「101曲目」は何ですか?

100曲選びましたが、これが正解というわけではありません。

むしろ、

「あの曲が入っていない!」

と思っていただけたら、この企画は成功です。

あなたなら、101曲目に何を選びますか?

そして、その曲が発売された頃、あなたは何歳でしたか?

曲名だけでなく、

「その曲を聴くと、こんなことを思い出す」

という思い出も、ぜひ教えてください。

音楽を聴くことは、自分の人生をもう一度旅することなのかもしれません。

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