今日のニュース 深掘り 100歳以上が初の10万人突破
70歳の私たちは「あと30年」をどう生きる?

2026年9月16日
「人生100年時代」
この言葉を、私たちは何度も聞いてきました。
しかし正直なところ、
「100歳まで生きる人なんて、ごく一部だろう」
と思っていた人も多いのではないでしょうか。
ところが、その「100歳」が少しずつ現実のものになってきました。
厚生労働省が2026年9月15日に発表したところによると、日本全国の100歳以上の高齢者は、
10万7,677人
となりました。
初めて10万人を突破しました。
この数字を見て、私は考えました。
70歳から100歳までは、30年もある。
70歳は、人生の終盤というより、
まだ「30年の人生」が残っている可能性がある年齢
なのかもしれません。
今日は「100歳以上10万人」というニュースから、70代の私たちがこれからの人生をどう考えればいいのか、少し深掘りしてみたいと思います。
1963年には、わずか153人だった
驚くのは、その増え方です。
厚生労働省によると、100歳以上の人は、
1963年 153人
1981年 1,000人突破
1998年 1万人突破
2012年 5万人突破
そして2026年、
10万7,677人
となりました。
わずか60年余りで、
153人から10万人以上へ。
100歳という年齢そのものが、以前とは全く違う存在になってきています。
100歳以上の約88%が女性
10万7,677人の内訳を見ると、
男性は、
1万3,379人。
女性は、
9万4,298人。
女性が全体の約87.6%を占めています。
圧倒的に女性が多いのです。
日本人女性の長寿は以前から知られていますが、100歳以上という年齢になると、その差がさらに大きくなっています。
ただ男性にとっても、
「100歳なんて自分には関係ない」
とは言えなくなってきました。
100歳以上の男性だけでも、全国に1万3,000人以上いるからです。
なぜ、これほど長生きするようになったのか
厚生労働大臣は今回の発表に際し、長寿化の背景として、
生活環境の改善
食生活・栄養状態の改善
医療技術の進歩
などを挙げています。
確かに、私たちが子どもの頃と現在では医療が大きく変わりました。
昔なら命に関わった病気でも、現在では薬や手術で治療できることがあります。
高血圧や糖尿病なども、薬を使いながら長期間管理する時代になりました。
健康診断や人間ドックも普及しました。
「病気になったら治療する」だけでなく、
病気を早く見つけ、長く付き合いながら生活する
という医療に変わってきたことも、長寿につながっているのでしょう。
しかし「100歳まで生きる」だけでいいのか
ここで考えたいことがあります。
100歳まで生きることと、
100歳まで元気に生活できること
は同じではありません。
大切なのは寿命の長さだけではなく、
自分で歩ける。
自分で食事ができる。
自分で買い物へ行ける。
友人と話ができる。
好きなことを続けられる。
そんな期間をできるだけ長くすることではないでしょうか。
つまり、
「何歳まで生きるか」より「何歳まで自分らしく生活できるか」
が重要になってきます。
70歳から100歳まで「30年」
70歳の人が100歳まで生きれば、
あと30年あります。
30年というと、かなり長い期間です。
40歳から70歳までと同じ長さです。
40歳の頃を思い出してみてください。
仕事。
家族。
子どもの成長。
旅行。
趣味。
社会の変化。
30年間には、本当にいろいろなことがあったと思います。
それと同じだけの時間が、
70歳から先にもある可能性がある。
そう考えると、老後の見方が少し変わってきます。
70歳からの30年を「5つ」に分けて考えてみる
では、もし100歳まで生きるとしたら、何を準備しておけばいいのでしょうか。
私は大きく、
健康
お金
住まい
人とのつながり
デジタル
の5つではないかと思います。
① 健康
「長生き」より「自分の足で歩く」
まず一番大切なのは健康です。
特に70代から重要になるのが、
歩く力を落とさないこと。
先日の記事でも、高齢者の家庭内転倒について紹介しました。
転倒。
骨折。
入院。
筋力低下。
歩行困難。
要介護。
という流れになってしまうことがあります。
だから70代では、
「病気がないから健康」
だけではなく、
歩けるか
立ち上がれるか
バランスを保てるか
という身体機能も重要です。
散歩。
体操。
水泳。
軽い筋力運動。
自分が無理なく続けられる運動を生活の中に入れておく。
70歳からの運動は、
100歳まで自分で生活するための貯金
と考えてもいいのではないでしょうか。
② お金
30年間の生活費を考える
次はお金です。
65歳や70歳で退職したとき、
「あと10年、15年くらい」
と考えるのと、
「あと30年あるかもしれない」
と考えるのでは、老後資金の考え方が大きく変わります。
年金。
預貯金。
医療費。
介護費。
住宅修繕費。
家電の買い替え。
旅行や趣味。
冠婚葬祭。
長生きすれば、それだけ生活費も必要になります。
だからといって、
「お金が減るから何も使わない」
では寂しい老後になります。
必要なのは、
使うお金と残すお金を分けること
ではないでしょうか。
元気な70代には旅行をする。
趣味を楽しむ。
友人と食事をする。
80代、90代になったときの医療や介護のためのお金もある程度残す。
長生きすることを前提にしたお金の使い方
が必要になってきます。
③ 住まい
90歳になっても今の家で暮らせるか
70歳では何ともない家でも、
90歳になると不便になることがあります。
階段。
浴室。
玄関の段差。
2階の寝室。
庭の手入れ。
買い物までの距離。
車がないと生活できない場所。
70歳の今なら問題なくても、
「もし車を運転しなくなったら?」
「もし階段を上れなくなったら?」
と考えてみる必要があります。
リフォームする。
手すりを付ける。
寝室を1階へ移す。
便利な場所へ住み替える。
高齢者住宅を検討する。
すぐに実行する必要はありません。
しかし、
元気なうちに選択肢を知っておく
ことは重要です。
④ 人とのつながり
100歳まで生きるなら「一人にならない仕組み」も必要
70代になると、人間関係も変わってきます。
会社を退職する。
子どもは独立する。
友人と会う回数が減る。
配偶者との死別を経験する。
体力が落ちて外出が減る。
こうしたことが少しずつ重なると、社会とのつながりが小さくなっていきます。
だからこそ、
地域活動。
老人クラブ。
スポーツ。
趣味の会。
ボランティア。
昔からの友人。
SNS。
何でも構いません。
自分が社会とつながる場所を一つではなく、いくつか持っておく。
これは、長い老後を生きる上で大切だと思います。
⑤ デジタル
100歳まで生きるなら避けて通れない
そして、これから特に重要になるのがデジタルです。
スマートフォン。
マイナポータル。
ネット銀行。
ネット証券。
オンライン予約。
電子チケット。
病院予約。
行政手続き。
AI。
10年後、20年後には、今以上にデジタル化しているでしょう。
70歳で、
「スマホは苦手だから使わない」
と言っていると、80歳、90歳になったとき、生活がかなり不便になる可能性があります。
逆に70代のうちに、
スマホ。
タブレット。
インターネット。
AI。
を少しずつ使えるようにしておけば、その後の生活を助けてくれる道具になります。
70代は、
デジタルを諦める年齢ではなく、覚えておく最後の大きなチャンス
なのかもしれません。
70歳は「余生」ではなくなってきた
昔は、
「定年後は余生を過ごす」
という言葉がよく使われました。
しかし、70歳から30年あると考えると、
「余生」という言葉では長すぎます。
70歳から80歳。
80歳から90歳。
90歳から100歳。
それぞれ10年間あります。
70代には70代の楽しみ方。
80代には80代の生活。
90代には90代の暮らし方があります。
だから、
「残った人生」ではなく「これからの人生」
と考えた方がいいのかもしれません。
もちろん全員が100歳まで生きるわけではない
ここは誤解しないようにしたいところです。
100歳以上が10万人を超えたからといって、
70歳の人が全員100歳まで生きる
という意味ではありません。
寿命には個人差があります。
病気や事故もあります。
100歳以上の人は、日本全体から見ればまだ少数です。
だから、
「自分も必ず100歳まで生きる」
と考える必要はありません。
しかし、
「100歳まで生きる可能性もある」
と考えて人生を設計することには意味があります。
90歳までしか準備していなかったのに100歳まで生きることと、
100歳まで考えて準備していたけれど90歳だったこと。
老後の安心という意味では、後者の方が準備しやすいのではないでしょうか。
70代の今だからできること
80代、90代になってからでは難しいことがあります。
身体を鍛える。
家を片づける。
資産を整理する。
デジタルを覚える。
旅行をする。
会いたい人に会う。
新しい趣味を始める。
こうしたことは、
元気な70代だからこそできること
です。
「そのうちやろう」
と思っているうちに、5年、10年はあっという間に過ぎます。
100歳から逆算してみる
一度、自分の人生を100歳から逆算して考えてみるのも面白いと思います。
100歳。
90歳。
80歳。
そして現在の70代。
「80歳までに何をしておきたいか」
「90歳になったとき、どこで暮らしたいか」
「100歳になったら、どんな自分でいたいか」
そう考えると、
今やるべきこと
が少し見えてきます。
私なら「5つの貯金」を考える
これからの人生には、お金の貯金だけではなく、
筋肉の貯金
お金の貯金
人間関係の貯金
経験の貯金
デジタル知識の貯金
が必要なのではないでしょうか。
特に筋肉と人間関係は、銀行に預けることができません。
毎日の生活の中で少しずつ作っていくしかありません。
まとめ
70歳から、まだ30年あるかもしれない
2026年、日本の100歳以上の高齢者は、
10万7,677人
となり、初めて10万人を突破しました。
1963年には、わずか153人でした。
この数字は、
「日本人が長生きするようになった」
というだけのニュースではないと思います。
70歳の私たちに、
「もし100歳まで生きたら、あと30年をどう生きますか?」
と問いかけているニュースでもあります。
健康。
お金。
住まい。
人とのつながり。
デジタル。
この5つを、70代の元気なうちから少しずつ準備していく。
そして、準備ばかりするのではなく、
旅行へ行く。
人に会う。
美味しいものを食べる。
運動する。
新しいことを覚える。
やりたかったことをやる。
長寿社会で一番大切なのは、
「何歳まで生きるか」ではなく、「長くなった人生をどう生きるか」
なのかもしれません。
100歳まで生きるかどうかは誰にも分かりません。
でも、
100歳まで生きても困らない準備をしながら、今日を楽しむ。
これからの70代には、そんな生き方が必要になってくるのではないでしょうか。
※ 数字については厚生労働省の9月15日発表を基準にしています。100歳以上は前年比7,914人増の10万7,677人で、男性1万3,379人、女性9万4,298人。厚労相は長寿化の背景として生活環境、食生活・栄養状態、医療技術の改善・進歩などを挙げています。→百歳高齢者表彰はこちら
