今日のニュース 深掘り 「年金の還付金があります」に要注意

約200万円を失う被害が発生!70代が知っておきたい還付金詐欺

2026年9月12日

「年金の還付金があります」

こんな電話が突然かかってきたら、皆さんはどうしますか。

しかも相手が、

「年金事務所の職員です」

と名乗ったら、信用してしまう人もいるのではないでしょうか。

実際に、年金事務所の職員を名乗る男から電話を受けた60代男性が、約200万円をだまし取られる事件が発生しました。

今回は、70代の私たちにとって他人事ではない「年金還付金詐欺」について深掘りします。


「3万9800円の還付金があります」

事件が起きたのは青森県です。

2026年9月8日、60代男性の自宅の固定電話に電話がかかってきました。

相手は、

「年金事務所の職員」

を名乗りました。

そして、

「還付金が3万9800円あります」

と説明したのです。

さらに、

「期限は8月31日でしたが、今日手続きすれば間に合います」

と言われました。

ここに詐欺の大きなポイントがあります。

「今日なら間に合う」

「期限が過ぎている」

と焦らせ、冷静に考える時間を与えないのです。


次に「金融機関の職員」が登場

その後、今度は金融機関の職員を名乗る男から電話がかかってきました。

そして、

「手続きをするので、近くのスーパーのATMへ行ってください」

「キャッシュカードと携帯電話を持って行ってください」

などと指示されました。

男性は近くのスーパーへ行き、ATMの前で相手とスマートフォンで話しながら操作しました。

しかし、男性が行っていたのは、

「還付金を受け取る操作」ではありませんでした。

実際には、

犯人側の口座へ自分のお金を振り込む操作

をさせられていたのです。


被害額は199万7530円

しかも詐欺は1日で終わりませんでした。

最初の操作後、

「口座にエラーが出たので、また明日操作しましょう」

と言われます。

翌9月9日、男性は再び同じATMへ行き、電話で指示を受けながら操作しました。

その後、通帳を記帳して初めて異変に気づきます。

2日間で振り込まれていた金額は、

199万7530円。

「3万9800円が戻ってくる」

と思って手続きをした結果、

逆に約200万円を失ってしまったのです。


なぜ、こんな詐欺に引っかかってしまうのか

「自分ならATMで200万円も振り込まない」

と思う人もいるでしょう。

しかし、犯人は最初から、

「200万円振り込んでください」

とは言いません。

まず、

年金事務所

という信用されやすい名前を使います。

次に、

「還付金があります」

という得をする話をします。

そして、

「期限が過ぎています」

と不安にさせます。

さらに、

「今日なら間に合います」

と急がせます。

最後に、

金融機関の職員

まで登場します。

こうして何段階にも分けて相手を信用させ、考える時間を奪っていくのです。


覚えておきたい、たった一つのこと

還付金詐欺については、これだけ覚えておいてください。

ATMを操作して、お金が戻ってくることはありません。

警察庁も、

「還付金がある」「ATMで手続きができる」は詐欺

と明確に注意を呼びかけています。

市役所。

税務署。

年金事務所。

銀行。

どこを名乗っていても同じです。

電話で、

「還付金があります。ATMへ行ってください」

と言われたら、そこで詐欺を疑ってください。


「緑の封筒」の時期だからこそ注意したい

今、日本年金機構から対象者に、

年金生活者支援給付金に関する「緑色の封筒」

が送られています。

これは本物の大切なお知らせです。

対象となる人は、内容を確認して必要な手続きをする必要があります。

ところが、このような本物の制度があるからこそ、

「給付金があります」

「年金の還付金があります」

「手続きしないともらえません」

という詐欺の言葉に現実味が出てしまいます。

ここを区別することが重要です。

本物の封筒は「内容を確認する」。

突然の電話で「ATMへ行け」と言われたら疑う。

この2つを覚えておきたいと思います。


実は警察庁の注意喚起にも「封筒」が登場する

驚いたことに、警察庁が紹介している還付金詐欺の典型例では、犯人が、

「以前に封筒を送りましたが、確認されていませんか」

といった話を持ち出すケースが紹介されています。

つまり、

「封筒を見落としていませんか?」

と言われても安心してはいけません。

犯人は、

「もしかしたら届いていたかもしれない」

という私たちの記憶の曖昧さまで利用してきます。


日本年金機構を名乗る不審な電話は実際に増えている

日本年金機構などを名乗る不審な電話やメールについての相談は、決して珍しくありません。

警察庁が紹介した日本年金機構の集計では、不審な電話・メールに関する問い合わせは、

令和5年度 1,264件

令和6年度 1,659件

令和7年度 3,027件

と増えています。

令和7年度だけを見ると、

「手続きしないと年金が止まる」などと自動音声で不安をあおる電話が1,633件

確認されています。

「年金」という言葉を利用した詐欺は、現実に身近な問題なのです。


特殊詐欺の被害額はすでに2,000億円を超えている

さらに驚く数字があります。

警察庁によると、2026年1月から7月までの特殊詐欺などの被害額は、

2,108.1億円。

認知件数は、

2万6,051件

に達しています。

このうち「還付金詐欺」だけでも、

1,757件、被害額40.7億円

です。

つまり、

「こんな古典的な詐欺には、もう誰も引っかからない」

という状況ではありません。

今も日本全国で被害が発生しています。


70代は特に「電話」に注意

警察庁によると、2026年上半期の特殊詐欺等全体では、被害額・認知件数ともに60代が最多でした。

さらに、

ニセ警察詐欺では、被害額・認知件数とも70代が最多

となっています。

そしてニセ警察詐欺では、最初の接触の9割以上が、

電話

です。

70代の私たちにとって、

「知らない人からの電話にどう対応するか」

は、財産を守るための重要な問題になっています。


こんな言葉が出たら、電話を切る

次のような言葉が出てきたら要注意です。

「還付金があります」
「今日が期限です」
「今日なら間に合います」
「ATMへ行ってください」
「携帯電話を持って行ってください」
「ATMに着いたら電話してください」
「私が操作方法を説明します」
「口座にエラーが出ています」
「別の口座へ移してください」

特に、

「還付金」+「ATM」

この2つが同時に出たら、

詐欺だと考えて電話を切る

くらいでよいと思います。


電話がかかってきたらどうする?

慌てて判断する必要はありません。

まず電話を切ります。

そして、

相手から教えられた電話番号にはかけ直さない。

自分で日本年金機構、市役所、金融機関などの公式な連絡先を調べる。

家族や信頼できる人に相談する。

不審であれば警察に相談する。

この順番です。

犯人が一番嫌がるのは、

「誰かに相談されること」

です。

だから、

「今日まで」

「今すぐ」

「誰にも言わないで」

と急がせます。

急がされたときほど、一度電話を切ることが大切です。


ATMの前で電話している高齢者を見かけたら

これは私たち自身だけの問題ではありません。

スーパーや銀行のATMで、

高齢者が携帯電話で誰かと話しながら操作している。

何度も振込画面を確認している。

困った表情をしている。

そんな人を見かけたら、

「大丈夫ですか?」

と声をかけるだけでも、被害を防げる可能性があります。

銀行員やスーパーの店員に知らせるのも一つの方法です。

地域全体で防ぐことも重要だと思います。


家族で決めておきたい「わが家のルール」

私は、70代以上の人がいる家庭では、簡単なルールを決めておくのがよいと思います。

電話でお金の話が出たら、その場では何もしない。

これだけです。

還付金。

給付金。

未払い年金。

医療費。

警察。

銀行。

どんな言葉が出てきても、

一度電話を切って、家族など誰か一人に相談する。

この習慣だけでも、多くの詐欺を防げるのではないでしょうか。


まとめ

「3万9800円もらえる」が「約200万円の被害」に

今回の事件は、

「3万9800円の還付金があります」

という一本の電話から始まりました。

そして最終的には、

約200万円

を失いました。

恐ろしいのは、犯人が特別に難しい方法を使ったわけではないことです。

「年金事務所です」

「還付金があります」

「期限が過ぎています」

「今日なら間に合います」

「ATMへ行ってください」

という言葉を組み合わせ、人の不安と焦りを利用したのです。

私たちが覚えておきたいのは、

ATMで還付金を受け取ることはありません。

そしてもう一つ。

「今すぐ」と言われたときほど、何もしない。

電話を切る。

家族や知人に話す。

公式窓口に自分から確認する。

それだけで、大切な老後資金を守れる可能性があります。

昨日の記事では、

「日本年金機構から届く緑の封筒を捨てないで」

とお伝えしました。

今日はその反対です。

本物のお知らせは、きちんと確認する。

しかし、

電話で「年金の還付金があります」と言われても、すぐには信用しない。

70代の私たちにとって、この二つをセットで覚えておくことが大切だと思います。

※ 今回の約200万円の事件は、9月11日に報じられた実際の被害です。60代男性が「3万9800円の還付金」という電話を信じ、2日間にわたってATMを操作し、最終的に199万7530円を振り込んでいました。

※ また、警察庁の最新集計では、2026年7月末までの特殊詐欺等の被害額は2,108.1億円、還付金詐欺だけでも1,757件・40.7億円です。 日本年金機構も公式サイトで、職員が電話で「税金(医療費)を還付する」などと話すことはないと注意喚起しています。

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