第6回 種子島宇宙センターとはどんな場所なのか――ロケット発射を待つ島で感じたこと
いよいよ種子島へ
2026年6月9日。
私はH3ロケットを見たい一心で、鹿児島港から高速艇「トッピー&ロケット」に乗り込んだ。
目的地は種子島・西之表港。
子供の頃、アポロ11号の月面着陸に胸を躍らせた私が、70歳になって日本の宇宙開発の最前線を訪れることになるとは思わなかった。
船が種子島へ近づくにつれ、
「いよいよロケットの島へ来た」
という気持ちが強くなっていった。
宇宙科学技術館へ

西之表港でレンタカーを借り、まず向かったのは宇宙科学技術館だった。
館内には、

- ロケット模型
- 人工衛星
- 宇宙飛行士
- 月探査
- はやぶさ
など、日本の宇宙開発の歴史が数多く展示されていた。

私はここを見学しただけでも十分に宇宙を感じることができた。
特に印象に残ったのは、
2024年2月のH3ロケット打ち上げ成功の映像だった。
2023年の初号機失敗を乗り越えた技術者たちの努力を思い出しながら見ていると、胸が熱くなった。
宇宙センターバスツアー

午後からは宇宙センターバスツアーに参加した。
しかし残念ながら、打ち上げ直前ということもあり、
- 指令室
- 発射台周辺
- ロケット組立施設
などは見学できなかった。
それでも遠方から発射台を見ることができた。

そしてH2ロケットの実物エンジンも見学した。
巨大なエンジンを目の前にすると、
「これが宇宙へ飛んでいくのか」
と驚かされる。
テレビで見るのとは全く違う迫力だった。
衝撃の延期発表

宇宙科学技術館を見学していた時だった。
館内放送や掲示で、
「6月10日のH3ロケット打ち上げは6月12日に延期」
になったことを知った。
正直、頭が真っ白になった。
今回の旅の最大の目的はロケット打ち上げを見ることだったからだ。
6月12日まで残るか悩んだ
私はしばらく考えた。
種子島に残るべきか。
それとも予定通り帰るべきか。
しかし現実は厳しかった。
- 高速艇の変更
- 航空券の変更
- 宿泊の延長
を考えると簡単ではなかった。
結果として、
私は打ち上げ見学を断念することにした。
悔しかった。
本当に悔しかった。
しかし宇宙開発の現実を知ることになった。
翌日、再び宇宙センターへ

6月9日は雨模様だったが、
6月10日は天気が回復した。
私は再び宇宙センターへ向かった。

立入禁止区域以外をレンタカーで回ってみた。
実際に行ってみて分かったのは、
「種子島宇宙センターは想像以上に広い」
ということだった。
車がなければ見られない施設が数多くある。
海岸沿いの道路を走りながら、
日本最大級の宇宙基地であることを実感した。
発射台へ近づけない
6月12日の打ち上げが決まったため、
発射台周辺は厳重な立入規制が行われていた。
地元の方の話によると、
6月11日の深夜に発射台へロケットを設置する作業が行われるそうだ。
夜になると発射台周辺は明るく照らされ、
関係者が最終準備を進めるという。
その光景を見られなかったのは残念だったが、
種子島全体がロケット打ち上げへ向けて動いていることが伝わってきた。
地元の人との出会い
今回の旅で印象に残ったのは、人との出会いだった。
宿泊した民宿では、
- 液体窒素を運ぶタンクローリー運転手
- IHIの技術者
と話をする機会があった。
宇宙開発はJAXAだけではない。
多くの企業、多くの人が関わっている。
ロケット1本の打ち上げの裏には、
数え切れない人たちの努力があることを改めて知った。
ロケットは天候との戦い
地元の方々から聞いた話で印象的だったのは、
「ロケットは簡単には飛ばない」
ということだった。
特に影響が大きいのは、
- 雷
- 風
だという。
私たちはつい、
「雨が降ると中止」
と思いがちだ。
しかし実際には、
上空の風や雷の方が重要らしい。
そのためロケット見学をするなら、
数日間の余裕を持って来る必要があるそうだ。
発射の瞬間は見られなかった
今回の旅で一番残念だったのは、
やはりロケット発射の瞬間を見られなかったことだ。
種子島まで来たのに。

あと2日いられれば。
そんな思いもある。
しかし、
宇宙開発の現実を知ることができた。
延期もまた宇宙開発の一部なのだ。
宇宙を感じた一日
それでも今回の訪問は決して無駄ではなかった。

宇宙科学技術館では、
宇宙飛行士になった気分で写真を撮ることもできた。
無重力空間を体験しているような写真は、今回の旅の大切な記念になった。
そして何より、
日本の宇宙開発が多くの人たちによって支えられていることを知ることができた。
種子島で学んだこと
私はロケットを見るために種子島へ来た。
しかし実際に見たのは、
ロケットだけではなかった。
そこには、
- 技術者たちの努力
- 地元の人たちの協力
- 宇宙を夢見た若者たち
の姿があった。
ロケットは機械では飛ばない。
人の夢によって飛ぶのだ。
そう感じた種子島の旅だった。
最後に、2026年6月12日 H3ロケット6号機の打ち上げの瞬間映像をご覧ください。
次回は、
「H3ロケット打ち上げ成功で日本はどう変わるのか」
について考えてみたい。
防衛、通信、AI、月探査。
H3ロケットが切り開く未来について、70歳の私なりに考えてみたいと思う。
